緊張とお腹のお話
こんにちは。
自律神経とお腹のお悩み専門鍼灸師、フルミチ鍼灸院 院長の杉山です。
日々の施術の中でよく伺うのが、
「緊張するとお腹が痛くなるんです」
「会議前や電車の中で下痢になるのがつらい」
というご相談です。
今回は、なぜ“緊張”が腸に影響するのか?についてお話ししていきます。
緊張=交感神経が優位な状態
私たちの体は、自律神経によって無意識に調整されています。
この自律神経には、リラックス時に働く「副交感神経」と、緊張・ストレス時に働く「交感神経」があります。
緊張すると、この交感神経がグッと優位になります。
実はこの交感神経、消化活動を抑える方向に働くという性質があります。
つまり、緊張が続くと、腸の動きが乱れたり、逆に過敏になったりするのです。
なぜ腸が「反応しやすい」のか
腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、神経細胞が集中している場所です。
脳で感じたストレスや不安は、腸にもすぐに伝わります。
また、「またトイレに行きたくなったらどうしよう」
という不安は、さらに交感神経を高め、腸の反応を加速させます。
このように、
緊張 → 自律神経の乱れ → 腸の過敏反応 → さらに不安 → もっと過敏に…
という悪循環が起きてしまうのです。
鍼灸ができること
フルミチ鍼灸院では、このような「自律神経のアンバランス」からくるお腹の不調に対して、鍼灸によるサポートを行っています。
具体的には、
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背中やお腹のツボを使って、内臓の緊張をやわらげる
-
呼吸が深くなり、安心感が得られる
-
「また同じことが起きるかも…」という予期不安をやわらげる体づくり
といったかたちで、無理に症状を抑え込むのではなく、**「起きにくい体に整える」**という考え方で取り組んでいます。
緊張しやすさも「体のくせ」かもしれません
緊張そのものが悪いのではありません。
ただ、過敏に反応しやすい体の状態をそのままにしていると、腸の不調は続いてしまいます。
鍼灸では、そうした体のクセにやさしくアプローチすることで、自然な状態へと導くことができます。
最後に:お悩みの背景を丁寧に見ていく
「緊張でお腹が痛くなる」というのは、単なる気のせいでも、心の問題だけでもありません。
体の反応としてちゃんと意味があるものです。
その意味を一緒に読み解きながら、整えていくことで、
「前よりラクに外出できるようになった」
「仕事や旅行が怖くなくなった」
そんな変化を感じていただけるよう、サポートしています。
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