潰瘍性大腸炎について解説
全日本鍼灸学会で潰瘍性大腸炎の症例報告をすることに伴い、潰瘍性大腸炎についてYoutubeで解説をしています。
潰瘍性大腸炎は鍼灸治療は有用なのか、その点気になる方も多いと思います。
潰瘍性大腸炎と鍼灸の関連についてお話をしましたので是非ご覧ください。
ご予約・ご相談お待ちしております。



潰瘍性大腸炎の症状を考えていく上で血便、粘血便は避けて通れないテーマです。
下痢と並び、主症状になるからです。
ではなぜ粘血便になるのかを考えていきましょう。
大腸粘膜の炎症によりびらんや潰瘍が作られる
その結果、毛細血管が破れて出血します
傷がついているわけですから腸の粘膜が傷口を守ろうとして粘液を出します。
予め起きている出血と粘膜から出た粘液が混ざり合い、粘血便になります。
結論から申し上げると腸粘膜の炎症抑制と粘膜の正常化がポイントになります。
鍼をうち、副交感神経優位になります。
副交感神経優位になると内臓を支配する迷走神経が活性化し、アセチルコリンという火消し役が登場します
炎症性サイトカインという火付け役の出番をなくします。
腸粘膜の炎症が治まり、びらんや潰瘍が治癒し、出血と粘液分泌が減り、粘血便が楽になります。
ポイントは腸粘膜の炎症の抑制です。
鍼灸の治療が強いところです。
お薬との併用が良いでしょう。
ご予約・ご相談お待ちしております。
潰瘍性大腸炎を考えていく上で、まず主な症状を考えていきましょう。
・繰り返し起きる下痢
・血便や粘血便
・腹痛
これらが挙げられます。
今回のブログではなぜ下痢が繰り返し起こるのかを考えていきます。
潰瘍性大腸炎の主症状である下痢。
1日に何度も排便があり、緩い便、形のない便が出続けます。
また一旦良くなってもしばらくすると下痢が続くこともあります。
次になぜ下痢になるのかを考えていきます。
腸が炎症を起こし、びらんや潰瘍といったいわば腸に傷がついた状態になります。
本来であれば食べた内容物がゆっくり進み水分が吸収され、固形の便になるのですがそうならなくなります。
理由①:腸粘膜の炎症
炎症が起きることで腸粘膜がダメージを受けます。
その結果、水分が吸収されず水様の便になります。
理由②:炎症による過剰な蠕動運動
炎症状態は交感神経優位ではありますが蠕動運動が活発になります。
そのため水分が腸に吸収される前に便として出てしまうので下痢になります。
これには炎症性サイトカインという火付け役が関わっていると言われています。
炎症があり、交感神経優位。
交感神経が優位だと腸の働きは鈍ります。
しかし、炎症があると炎症性サイトカインという火付け役や局所の神経反射が絡むことで腸の運動が活発になり過ぎてしまいます。
なので水分を吸収せずにどんどん進んでいってしまうため下痢になるという感じです。
鍼灸の治療は副交感神経を優位にさせることで、腸の蠕動運動が正常になる。
腸の血流が改善して炎症性サイトカインの産生を抑制、腸の粘膜を修復させます。
結果、下痢が楽になることが考えられます。
今回の学会発表の症例でも鍼灸を導入してから早期に寛解導入できています。
ご予約・ご相談お待ちしております。