繊細さんと過敏性腸症候群
こんにちは。
自律神経とお腹のお悩み専門鍼灸師、フルミチ鍼灸院院長の杉山です。
今回は「HSP(繊細さん)」と呼ばれる気質を持った方と、過敏性腸症候群(IBS)の関係についてお話ししたいと思います。
最近では「HSP」「繊細さん」という言葉も耳にしたことがあると言う方も多いのではないでしょうか?
その繊細さが原因で「お腹の調子がずっと悪い」「緊張すると下痢になってしまう」といった悩みを抱えている方も少なくありません。
繊細な感受性とお腹の不調のつながり
HSPの方は、感覚や感情への反応が非常に敏感です。
音や光、周囲の空気感、他人の感情などを強く感じやすく、それが心身に負担として蓄積しやすい傾向があります。
そしてその負担は、しばしば自律神経を通じて身体に現れてきます。
中でも「腸」はストレスや緊張の影響を強く受ける臓器の一つ。
人は不安や緊張を感じると、交感神経が優位になり、腸の動きが乱れます。
それが「お腹を壊しやすい」「ガスがたまりやすい」「便秘と下痢を繰り返す」といったIBSの症状につながっていくと考えられます。
鍼灸でできること〜心と身体の“つながり”にアプローチ〜
フルミチ鍼灸院では、整動鍼という技術を使い、こうした「自律神経のバランスの乱れ」にアプローチしています。
整動鍼では、症状のある場所に直接刺すのではなく、体の動きや状態を観察し、全身のつながりを読み解いてツボを選びます。
たとえば:
-
背中やお腹にある“呼吸や内臓の緊張”に関わるツボ
-
足にある“のぼせ”や“落ち着かなさ”を整えるツボ
-
肩甲骨周辺にある“バランス感覚”や“安心感”に働きかけるツボ
などを活用し、神経の過剰な興奮や緊張状態をやわらげていきます。
無理に症状を抑え込むのではなく、
「症状が出にくい体に整えていく」という考え方で取り組んでいます。
HSPだからこそ、自分の「整え方」を持つことが大切
繊細さは悪いことではありません。
むしろ、環境への適応力や思いやりの力として活かせる面もあります。
ただ、ストレスを溜めやすく、体調に出やすい特性があるのも事実です。
だからこそ、自分なりの「心身の整え方」を見つけていくことが大切です。
鍼灸は、そのサポートになれる手段のひとつです。
「自律神経を整える」「お腹をリラックスさせる」「安心感を取り戻す」
そんな目的で、私たちを頼っていただけたら嬉しいです。
書籍のご紹介
「検査では異常がない。でも毎日つらい。」
「病院に行ったけれど良くならない、次はどこに行ったらいいかわからない。」
そんな方にこそ知っていただきたい内容を、一冊にまとめました。
『「きれいな胃してますね〜」と言われた時に読む本 -機能性ディスペプシア読本-』
Amazonでご覧いただけます。
臨床現場の経験と、鍼灸学会での症例報告に基づいた実践的な内容をまとめています。
お腹の不調に悩む方や、ご家族にそうした方がいらっしゃる方にも、ぜひ手に取っていただけたらと思います。
ご予約・ご相談お待ちしております。


